オタ福の語り部屋

オタクじゃない、俺はオタ福だ!

意外と知らない『鷄が鶏肉になるまで』。

みんなさんは鶏肉を食べるだろか?

鶏肉の正体はもちろん鷄である。だがスーパーなどで店頭に並んでいる鶏肉は「ムネ肉」、「モモ肉」、「ササミ」、「砂ズリ」なんていう臓器や部位の名前で取引されてり、無機質な取引に感じる。

僕はお肉が大好きだ。お肉はバンバン食べるし、もちろん食べるたびに命に感謝している。なので、「動物を殺して、食べるなんで野蛮だ!」とか「鶏、豚、牛さんが可哀想だから食べるな!」なんてことは一ミリも言うつもりはない。ただ、そこに命がある事は事実である。そのため僕は、『どのような過程を経て、鶏が鶏肉になるのか』を理解しておくのは、命に対するせめてもの敬意であり、我々人間の責務であると考える。

今回は『鶏が鶏肉になる』までを語ろうと思う。

 

【目次】

 【種卵をうむ「鶏種」ってなに?】

 -まとめ

【種卵からひなへ、「孵卵場」での過ごし方】

 -まとめ

【ブロイラーが過ごす「生産農場」ってどんなところ?】 

 -まとめ

【鶏肉の安全を守る最後の砦、「食鳥処理場」】

 -まとめ 

【さいごに】

 

【種卵を産む「種鶏」ってなに?】

『種鶏』とは簡単に言うと店頭に並ぶブロイラーのお父さんとお母さんだ。店頭に並んでいるブロイラーは皆その種鶏から生まれる。種鶏は子供であるブロイラーの品質を保証するスーパーエリート集団なのだ。でも、面白いことにそのスーパーエリート『種鶏』を産む『原種鶏』がいる。そして、その原種鶏を産む『原々種鶏』がいる。

原々種鶏→原種鶏→種鶏→ブロイラーの順に血が受け継がれる。普段僕たちが食べているのはブロイラーだ。

原種鶏と種鶏のライフサイクルについてちょっと話そう。

産まれてから1~21週齢の間は「育成期」と呼ばれ、育成農場で飼育される。この間は種卵を生産するための体づくりを徹底的に行う。この時期が過ぎた22~65週齢の鶏種は「成鶏種」と呼ばれ、成鶏農場で飼育される。種卵の生産に精を出す。

 

まとめ

原々種鶏:ブロイラーの曾祖父母にあたる。決して外に出されることはなく、遺伝子財産をして大切に管理されている。

原鶏種:ブロイラーの祖父母にあたる。ここから下は民間の養鶏場で管理されている。遺伝の維持や品種改良に尽力が注がれている。

鶏種:ブロイラーの父母にあたる。たくさん卵を産む人生。産卵能力が低下した種鶏は廃鶏として出荷される。

ブロイラー:食鳥処理場で加工され、みんなが食べる鶏肉に変えられる。

 

【種卵からひなへ、「孵卵場」での過ごし方】

検卵

鶏種からとった種卵は『検卵』を行う。

検卵とは種卵に汚れや傷がないか、あるいは奇形がないかをチェックする事だ。

「汚れなんて拭き取ればいいじゃん 」と思った人もいるだろう。鶏の産卵孔は『総排泄孔』と呼ばれ、糞や尿などの不潔なものと一緒に出てくるため、汚れている卵には細菌が混入してしまっている場合があるのだ。サルモネラカンピロバクターなどブロイラー育成に大きな障害をもたらしたり、人への食中毒を起こす可能性がある菌なので、絶対に取り除かねばならない。食中毒についてはまた別の機会に詳しくお話しできたらと思う。そして、検卵に合格した卵のみが孵卵場に送られる。

 

貯卵室

孵卵場に入るとすぐに『貯卵室』と呼ばれる部屋で卵を保管する。

 

セッター室

鶏農家さんから注文を受けると、出荷予定日に合わせて、『セッター室』に入卵する。『セッター室』では孵卵器に卵が置かれて、室温は37.7℃で管理されている。1時間に一回卵を揺らす、『転卵』という作業が行われる。17.18日間管理した後、『ハッチャー室』へ移卵される。

 

ハッチャー室

『ハッチャー室』とは孵化直前の卵を管理している。セッター室から移動されて約3日後に孵化する。室温は36.6℃で管理されている。

 

雌雄鑑別室 

孵化したひなは『雌雄鑑別室』で品質のチェックを受ける。ここでも先天的な奇形や病気がないかを厳重にチェックし、選別する。足が歩くて立てない雛や病気を持った雛はこのまま育てたとしても十分に肥育することができないため、早めに取り除く。厳しいがこれが現状だ。命を頂くとはこういうことなのだ。

 

ワクチン室 

健康な雛たちは『ワクチン室』に移され、ワクチンを摂取される。ワクチンの内容は「マレック病」「鶏痘」に対するものがメインとなる。必要に応じて「伝染性気管支炎」のワクチンを接種する。病気の詳しい説明に関しては割愛させてもらう。

 

出荷室

その後『出荷室』に移動し、専用コンテナに積まれ、鶏農家さんの元へ届けられる。

 

まとめ

検卵:汚れてたり、傷のある卵や奇形卵が無いかをチェックする

 ↓

貯卵室:鶏農家さんからの注文が入るまで、ここで待機する

 ↓

セッター室:卵を孵卵器にかけ、転卵を行う(17~18日間)

 ↓

ハッチャー室:孵化直前の卵を管理。(約3日間)

 ↓

雌雄鑑別室:雌雄の鑑別と健康状態をチェックする

 ↓

ワクチン室:マレック病、鶏痘、伝染性気管支炎のワクチンを接種する

 ↓

出荷室:専用コンテナに積まれるまで、待機している

 

【ブロイラーが過ごす「生産農場」ってどんなところ?】

雛として生産農場に運ばれてきたブロイラーは約45日齢で出荷される。ブロイラーの過ごす生産農場について見ていこう。

オールインオールアウト方式

大半の生産農場が採用している飼育スタイルだ。簡単にいうなら「いっきに入雛→いっきに出荷→ちょっと休む」といった感じだ。 一度に出荷してしまうことで、鶏舎に鶏が一匹もいない『空舎期間』を設け、鶏舎の洗浄に専念する期間である。大体、20~25日間ぐらい行う。

 

飼料

抗生物質や合成抗菌剤を含まない飼料

今、産業動物で使用した抗菌薬が肉に残留し、その残留肉を食べた人たちにも抗菌薬が入ってしまうことが社会問題となっている。何が問題なのかというと『多剤耐性菌』と呼ばれる細菌が増えてしまうことである。これについても説明しようと思えば、1記事分くらいの量になってしまうので割愛させてもらう。とにかく、薬品を使用していない安全な鶏肉づくりを行なっているということだ。

 

②天然ハーブを配合した飼料

ビタミン豊富で肉の香りを良くするためにハーブが配合されている。味を良くする取り組みにも手を抜かない

 

鶏舎の構造

①ウインドレス鶏舎

入気口を設置する壁と排気口を設置する壁を決めて、空気が一方向に流れるように設計している鶏舎である。文字どおり、窓はない。

 

②解放鶏舎

鳥インフルエンザ対策として、防鳥ネットを窓に貼り、窓は全開にしている鶏舎。鶏舎内に巨大な送風機をいくつか設置し、空気が流れるように設計している鶏舎である。一番人気でほとんどの鶏舎がこの形式を採用している。

 

まとめ

オールインオールアウト方式:一度に入雛、一度に出荷、その間洗浄

飼料:安心とおいしさに配慮した飼料

鶏舎:野鳥との接触を防ぎ、換気の行き届いた鶏舎

 

【 鶏肉の安全を守る最後の砦、「食鳥処理場」】

食鳥処理場では鶏の屠殺を行い、店頭に並ぶ鶏肉へと加工する場所である。いうならば、『生き物から食べ物に変わる場所』だ。大量の鶏が屠殺されるため、世間の人からは倦厭されがちの施設だが、鶏肉を食べるからこそ、しっかりと知っておく施設であると僕は思う。

ここからは少々生々しい文面になるため、知りたい人だけ読んで欲しい。

『”グロさ”を伝えるためではない。”命を頂くことの本当の意味を知って欲しい”ために書いているのだ。』

集荷・脱毛

生体検査を行い、合格したものだけが、屠殺ラインへと並ぶ。屠殺ラインでは鶏を感電させ気絶させてから、首を切開し、『放血死』させる。

その後、お湯に4~5分ほど漬け、毛をむしり、『脱毛』を行う。

 

中抜

肛門、腹部切開し、『内臓を摘出』する。取り出された内臓は病変がないかを『獣医師が検査』する。肉だけになった鶏は洗浄されて、次のラインへ移行される。

 

冷却

筋肉を傷めないように冷却する。水温10℃以下で5分以上で予冷し、次亜塩素酸を用いて殺菌も行う。予冷後、水温4℃以下で40分以上冷却する。この間も次亜塩素酸による殺菌は行われている。

 

解体

冷却後、「手羽先」や「むね肉」、「もも肉」、「ささみ」など部位別に解体される。その後、真空状態でパックされて冷却される。

 

出荷

パックされた肉は金属の混入や異物がないかを金属探知機やX線でチェックされ、出荷される。こうしてやっと店頭に並ぶ。

 

まとめ

集荷・脱毛:鶏の健康状態を把握し、屠殺ラインに乗せる

中抜:内臓を取り除き、獣医師が検査する

冷却:肉を冷やし、殺菌を行う。

解体:部位別に分ける

出荷:異物混入がないかを検査して、店頭へ運ばれる

 

【さいごに】

 (↓ここだけは読んで欲しい)

種鶏が産んだ種卵が雛となり、成鶏となり、鶏肉へ加工され、店頭に並ぶまでの流れを大まかに説明した。もうここまで読んでくださった方は分かってくれていると思うが、僕は決して”鶏肉を食べるな”とは言わない。僕たち人間が安心してお肉を食べることができるのは”たくさんの人の労力と命の犠牲の上にある”ということを理解して欲しい。

ただそれだけである。