オタ福の語り部屋

オタクじゃない、俺はオタ福だ!

『質問力』、それは人生を豊かにする思考回路。

今回紹介する本は「質問力」です。

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「ここまでで何か質問はありますか?」

先生や上司に聞かれた時に誰も手を挙げない。そんな光景が当たり前になっている。僕も実際、論文検討会で発表者が説明を終わると質疑応答の時間になるが

(分からないことは山ほどあるけど、何を聞けばいいか分からない。トンチンカンなこと聞いたら、恥ずかしいし…)だから、質問しない。

一見、質問というのは自分の弱さをさらけ出してしまうような、羞恥心があるが、決してそんなことはない。頭のいい人ほど、質問をするものだ。

茂木健一郎氏の「質問力」を題材に質問について簡単にまとめていこうと思う。

 

目次

【注目したところ】

 -「質問すること」=「問題提起すること」

 -「質問」を構成する3つの要素とは?

 -「いい質問、悪い質問」5つのキーポイント

 -「質問力」を高める8つのアクション

【まとめ】

【著者情報】

 

注目したところ

「質問すること」≒「問題提起すること」

「何か悩み事や問題がある

 ↓

 鍵となる質問を自分にする

 ↓

 具体的な問題が見つかる

 ↓

 実際に行動して、ものごとを動かす 」

頭のいい人ほどこのブレインストーミングがスムーズにできている。

例えば、

「恋人ができないという悩み」があったとする。

この時、鍵となる質問を自分にしてみてください。

「自分から異性と出会う場に足を運んでいるだろうか?」

「どうしたら、好きな人と仲良くなれるだろうか?」

「印象をよくするように、外見に気を使っているだろうか?」

このように自分に問いかけてみて、それに対する答えを実践することが大切だ。

 

この時、とても重要なことが

①すぐに実践してみること! 

②他人ではなく自分に問いかけること!

③これだ!という模範解答は存在しないこと!

この3点をしっかり頭に入れておくことである。

 

①すぐに実践してみる

実践せずに頭の中でできるかできないかを判断するのはナンセンスだ。現実世界とは自分の考えたことを言動に移して、初めて影響力が出るものだ。頭の中で考えてるだけでは、何にも現状は変化しない。

 

②他人ではなく自分に問いかける

というのも、他人からもらった答えといえど、最終的にはその答えがどういう意味なのかを理解するために自分で考えなければならないからである。参考にするのはいいことだと思うが、その答えを導いたプロセスを理解せずにただ真似をするのは全くもって意味のないことだと言えるだろう。

 

③これだ!という模範解答は存在しない

森羅万象この世の全てのものに正解はない

もしかしたら、空気の構成成分で窒素や酸素、二酸化炭素以外にまだ見つかっていないものがあるかもしれない。

STAP細胞もあるかもしれない。

DNAがアデニン、チミン、グアニン、シトシン以外にもある生物がいるかもしれない。

 

頭のいい人ほど、世の中に正解がないことを知っている。だから、自分の導き出した解答が正解出なくても、自信を持って実践できるのだ。誰も正解はできないので、間違えたり失敗しても恥ではないからだ。

 

”「正解が分からないから」と言ってあいまいなままにせず、どんなに小さな答えでもいいから具体的で自分が対処できる形に変え、実際に行動して、ものごとを動かすこと。”

 

「質問」を構成する3つの要素とは?

3つの要素を説明する前に、疑問と質問の違いを知っておく必要がある。

疑問:世界に対するあいまいな違和感、ひっかかり

質問:具体性があり、解決に導く

と茂木氏は定義している。そして、あいまいな疑問を具体的な質問へと昇華するために必要なのが以下の3つの要素である。

①感情力

 メタ認知

③論理力

 

①感情力

感情力とは「何か嫌だ」「何か変だ」こういった違和感を抱いていることに気づく力である。しかし、人間とは自分の都合の悪いことやしっかり説明できないことに直面すると、感情をごまかし、正当化しようとしてしまう。

例えば、嫌いな先輩がいたとする。その先輩がなぜ嫌いな点を挙げろと言われると、実はなんとなく嫌いでその理由を説明することができなかったりする。

こんな時、次に必要なのがメタ認知力なのだ。

 

メタ認知

メタ認知力とはもう一人の自分を用意し、客観的に自分を見つめ直す力である。

・自分が抱いたこの感情は本当に正しいのか

・都合が悪いから、ごまかしているのではないか

自分の感情を素直に見つめ直すことで、感じた違和感に直結する問題が浮き彫りとなってくるのだ。

 

③論理力

論理力とはメタ認知を通じて気づいた自分の偏りを修正し、実行、失敗を繰り返し、新しい世界に導く力である。

感情ありきの力であり、疑問を質問へ昇華するための最後の一手間に過ぎない。

 

この3つの要素を磨き上げ、いい質問ができるようになれば答えは半分出たようなものである。

 

”現状へ違和感を持つ感情力。

それに気づくメタ認知力。

「どうするか」考える論理力。

これらが一体となっていい質問が生まれます。”

 

「いい質問、悪い質問」5つのキーポイント

 

悪い質問 5つのキーポイント

①正解を直接求める 例)「何歳から英語教育するべきですか?」

②オススメを聞く 例)「オススメの英語教材はなんですか?」

③相手に同意を求める 例)「子供には偏差値の高い大学へ行かせるべきですよね?」

④相手を問い詰める 例)「リストラになるなんて、この先どうするつもりなの?」

⑤どちらかを選ぶ 例)「私と仕事どっちが大切なの」

 

いい質問 5つのキーポイント

①空気を変える 

例)経営者へのインタビューで「なぜ、仕事場でTシャツなのですか?」

一見的外れだが、場の空気や流れを変えることができる。 

②相手の経験を聞く

例)「あなたの場合はどうでしたか?」

相手の経験を聞くことで、自分の世界を広げることができる。

③好きなものを聞く

例)「どの映画が好きですか?」

聞かれた側は好きなことを聞かれているので、喋りやすい。

相手の趣味が理解できる。

④本心に気付かせる

例)「ここではないのかな?」

違和感を無視せず、自分にぴったりの解答を探すことで初めて自分の本心に気づくことができる。

⑤自分の生き方を問う

例)「自分が一番心地よくなれるのはどんな生き方だろう?」

自分を大切にしているか考える機会になる。

 悪い質問         いい質問

①正解を直接求める    ①空気を変える

②オススメを聞く     ②相手の経験を聞く

③相手に同意を求める   ③好きなものを聞く

④相手を問い詰める    ④本心に気付かせる

⑤どちらかを選ぶ     ⑤自分の生き方を問う

僕がこれを読んで考えた悪い質問、いい質問、各々の共通点は

悪い質問:一方通行で、自己中心的な質問である。

いい質問:心を通わすことができ、相手を思いやっている質問である。

悪い質問では一方的に答えを求めているのに対し、いい質問では質問者と解答者が心を通わせている印象を受けた。それは「自分-他者」と「自分-自分」の両方で言える。質問は会話の1つだ。必ず、相手がいる。その相手のことをよく知れるような質問相手が答えやすいような質問相手が新たな答えを見つけるような質問。こんな質問ができるようになれればいいなと思う。

 

いい質問をするためのキーワード

いい質問に近づけるために留意すべき点として茂木氏は以下の4つを挙げている

①時間

②目的

③手段

④「あと少しだけ」

これらは質問により具体性を持たせるキーワードと捉えていいと思う。

具体性が高まると、答えも出やすくなるし、実行もしやすくなる。いい質問だと言える。 

 

「質問力」を高める8つのアクション

①お茶を飲む

なんでお茶?と思った人もいるだろう。ここでいうお茶を飲む行為とは”仕事の手を止めて、談笑しながらお茶を飲む”ということだ。この行為について茂木氏は2つのことを述べている。

1つ目は「脳はリラックスしているときにアイデアが生まれる」

2つ目は「自分の専門外の人と会話することでアイデアは生まれる」

手を休め、ムダな時間を過ごすのも問題解決の助けになるだろう。

 

②思考をアウトプットする

思いついたことを外に発信することで、客観視できるようになる。思いついたことを何かに書き留めておき、それを他人に説明するときにそのぼんやりとした思考は確固たるものへと昇華されるものである。

 

③繰り返す

「なぜ?」という疑問を繰り返すことで、原因が見えてくる。常に考えていると、ふと気が抜けた瞬間に解決策が見つかるものである。

 

④正直になる

自分の苦手なことや欠点をあいまいなままにせず、正直になる。そして、しつこく問い続ければ、自分の問題がはっきりしてくる。

 

⑤欠点を指摘する

イデアは意識的にダメところや、甘いところを指摘することによって、いいアイデアに仕上げることができる。

 

⑥締め切りをつくる

自分で締め切りを決めると、人生が主体的になるので、楽しくなる。

「いついつまでにこれを終わらせるんだ!」そう決めて、その期限までに終わらせるように頑張る。そして、残った時間で次やりたいことにどんどん挑戦していく。人は何かタスクを抱えている時、そのことから離れていても気がかりになるものだ。あなたにも宿題やレポート、プレゼン資料をまとめなければならない土日は、休んでいても休みきれないといった経験をしたことがあるはずだ。

 

⑦むちゃぶりをする

なにかの能力を上達させるために、自分で問題を発見するには「むちゃぶり」が一番有効である。簡単に言えば、「自分を自分で追い込む」といったとこだろう。これはなかなか難しいと思う。茂木氏はあたかも簡単にできるように言っているが、僕には難しい。何か脳科学的に追い込める技があれば良いのだが。

 

⑧芸術を観る

 どうしようも解決法が見つからないものに人は悩む。『そんなものは具体的な解決法が見つかることはないので、文学や演劇などの芸術を参考にしたら?』と茂木氏は言っている。まぁ、確かにどうしようもないならいっそのことフィクションを真似てみるのもアリなのかもしれない。

 

まとめ:8つのアクション

①お茶を飲む

②思考をアウトプットする

③繰り返す

④正直になる

⑤欠点を指摘する

⑥締め切りをつくる

⑦むちゃぶりをする

⑧芸術を観る 

 

まとめ

「質問」、僕たちの日常には質問する機会は山ほど溢れている。しかし、僕たちはほとんどそれをしない。茂木氏は質問をすることが悩み事を解決し、新たな一歩に繋がることを説いている。身近なテーマであり、具体例も多くて分かりやすかった。が、あえて酷評をさせてもらう。なぜならそれは、僕が書いた書評を見て頂けると分かると思うが、非常に網羅的でいわゆる「how to 本」に成り下がっている気がする。確かに端的にまとめられていて、どのように質問力を上げればいいのかは分かりやすくなっているが、陳腐なものにも感じる。とはいっても、本書の第4章などは『脳科学と質問力』についてを巧妙にリンクさせており、脱帽したのも事実である。この書評はさらに端的にまとめたものなので、ぜひ本書を読んで理解を深めてほしい。

 

著者情報

茂木健一郎

1962年東京生まれ。脳科学者。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所ケンブリッジ大学を経て、現在、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞受賞。2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞受賞。他の著書『脳を活かす勉強法』(PHP研究所)『結果を出せる人になる!』『「すぐやる脳」のつくり方』(学研プラス)『頭は「本の読み方」で磨かれる』(三笠書房)『脳を最高に活かせる人の朝時間』(河出文庫)などがある。

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