オタ福の語り部屋

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『バビロンの大富豪』

『バビロンの大富豪「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか』

今回、紹介するのは「バビロンの大富豪」である。

現代における「富の支配法則」とは何かについて、じっくりと考えるきっかけとなる本だ。

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この本は、古代の黄金都市と言われたバビロンを舞台に複数の人物が登場し、彼らの身に起きた出来事から、富や幸福とは一体何なのか、そしてそれがどのように築かれていくのかを教えてくれる一冊となっている。

 「古代都市における富の支配法則って...私たちは現代人なんだから、全然状況違うじゃん」って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この本の序章では筆者はこのように記している。

 ”「重力の原則」同様、これらの「原則」は普遍的であり、いつの時代、どこの国でも変わらない。これまでたくさんの人々が、この「原則」が真実であることを身をもって証明している。あなたも同様に、この「原則」によって財布を膨らませ、預金残高を増やし、経済的に前進して行けるように、と祈る”

つまり、富を得る方法は常に普遍的である「原則」さえ身につければ、時代背景に左右されにくいものだということである。皆様も、この『バビロンの大富豪』を読み、現代における富の支配法則を会得してみてはいかがだろうか? 

 

気になったところ

富を本気で追求しようとしたことがあるだろうか...?

私たちは学校に行き、勉強をします。専門学校や大学に行き、より専門性のある職業で、一人前になれるように頑張るだろう。

しかし、巨万の富を手に入れたいと心から願い、その方法について徹底的に勉強したことのある人は少ないのではないかと思う。

バビロンで1番の戦車職人「バンジア」と1番の楽士「コッビ」。2人は各々が追求してきた道について、こう振り返るのであった。

"俺たちはなんで金に恵まれたことがないのか。その理由もはっきりしたよ。それは今まで俺たちが富を求めてきたことが一度もなかったからなのさ。おぬしはバビロン一頑丈な戦車を作ろうと粉骨砕身してきた。その目的のため、これまで全力を尽くしてきて、実際にすばらしい腕を持つ職人になったじゃないか。俺は俺で立派なリラの楽士になろうと努めていた。そして俺も望んでいたことは実現させた。

つまり、俺たちがそれぞれ全力を傾けたときには、成功しているということなんだ。"

 

稼いだものはすべて”その一部”を自分のものにする

この話はかつてギリギリの生活を送っていた「アルカド」がどのようにしてバビロン一の大富豪になり得たか、という話で始まる。「アルカド」はお金持ちの「アルガミシュ」にお金を儲ける方法の教えを請う。そこでアルガミシュは収入の10分の1を自分のために取っておき、それが貯まった時に、自分のために働いてくれるお金として利用すればいいじゃないかと説いている。また、利用する際はその道に長けた人に助言を頂くべきであるとも説いている。

"おまえは蓄えが生んだものを食べてしまっているな。だが、それではどうしてせっかく生まれた子供たちがおまえのために働いてくれるというのだ。(中略)。まず始めに”金の奴隷”たちの大軍を確保するのだ。そうすれば、裕福な宴を何度やろうと、後悔することはなく楽しめるだろう。"

 

黄金の「七つの知恵」

ある日、王と宰相はお金の流れが止まり、バビロンの経済が滞っていることを懸念する。この原因は”少数の者がすべてのお金をかき集めてしまったから”であると考えた。そこで、王はバビロン一の大富豪「アルカド」に金を得る方法を民に教えるよう命じる。アルカドは自身の経験から七つの知恵を見出し、それを実践していることを民に伝えた。

①財布を太らせることから始めよう

②自分の欲求と必要経費とを混同するべからず

③貯めた資金は寝かさずに増やすべし

④損失という災難から貴重な財産を死守すべし

⑤自分の住まいを持つことは、有益な投資と心得よ

⑥将来の保障を確実にすべく、今から資金準備に取りかかるべし

⑦明確な目的に向かって、自己の能力と技量を高め、よく学び、自尊心を     持って行動すべし

 

幸運の女神が微笑む人間とは...

皆さんは幸運の女神はどのような人の前に現れると考えているだろうか...? 

アルカドは”幸運の女神は救いを求める者を助け、ふさわしい者には報いを授けるのだ”と謳っています。また、目の前にチャンスがあるのにそれを手に取ろうとしない優柔不断な人間はチャンスを逃す。幸運の女神が微笑んでくれる人間とは常に努力し、チャンスだと思える状況で飛びつくことができる勇気のある人間ではないかと思う。何も努力せず、ただ生きている人の前には幸運は降りてこないものなのだ。

”幸運な人間であったとしても、その幸運の限度を知っているものは誰もいない。ユーフラテス川に放り込まれたとき、手に真珠を掴んで浮かび上がってくることがあることを誰が想像できようか。”(バビロニアの諺)

 ”チャンスを拒まない人間にはいつでもチャンスが来るものだ”

 

金貨と知恵、大切なものはどちらなのか 

 お金というのものはたとえそこに大金があったとしても賢く運用しなければ、無くなっていく一方である。いきなり大金を手にすることは難しい。だが、お金を減らさないあるいは、増やすための知識や知恵といったものは身につけることができる。私たちが生きる現代では皆が自由に勉強することができ、知恵を身につけるための手段が整っている。

”お金をたくさん持っている者と持たない者がいるのは 、運命が不公平だからと思っているのかな。だとすれば間違っておるぞ。”

”財産を築くことは思慮深い人間にとっては負担の軽いものじゃ”

 

労働の喜びとは

大富豪の祖父を持つ若者「ハダン・グラ」とその若者の祖父と知り合いの大商人「シャルゥ・ナダ」の話が印象に残った。

ハダン・グラは働くことは奴隷のやることであると考えるのに対し、シャルゥ・ナダは自身の奴隷時代の経験から働くことは自分の最高の親友であり、一番の楽しみであると考える。 

懸命に働く姿というものは必ず誰かが見ていて、それ相応の評価をしてもらえるのだと感じた章である。仕事をしているふりをして手を抜く人もいるだろう。しかし、先ほどの幸運の女神の話でもそうだが、努力し続けていない人にチャンスは訪れないし、富や幸運が手に入ることは無いのである。

私自身、働くことは嬉しいと感じる瞬間は少ない。だが、シャルゥ・ナダが若者に言ったこの一言に感銘を受けた。シャルゥ・ナダのように労働を懸命に取り組み、嬉しく思える人はどのくらいいるのだろうか?

”働くことが奴隷専用のものではなくてわしはうれしく思う。もし労働が奴隷だけのものならば、今のわしは一番の楽しみを取り上げられることになるのだからね。” 

 

まとめ 

この本では単なる「お金の稼ぎ方」を記したHow to本ではない。

富を得るにはいつの時代でも変わらない普遍的な法則があり、その法則についてマインド面からアプローチしている。実に深く何度でも読み返したくなる本である。お金を持っているものが守銭奴のような卑しい人間ではなく、常に努力し、チャンスに飛びつける勇気を持った人格者であるのだと感じさせてくれる一冊である。

 

著者情報

ジョージ・S・クレイソン

1874年、米国ミズーリ州生まれ。大学卒業後、1898年の米西戦争に陸軍兵として参加。兵役後、出版社を設立し、米国とカナダの道路マップを初めて刊行する。1926年より、バビロンを舞台にした一連の寓話シリーズをパンフレットの形で発行。銀行や保険会社、一般企業の経営者たちを中心に評判が広がり、やがてそうした人たちの手によって何百万もの人々に紹介され、膨大な読者を生むことになった。1957年、カリフォルニアにて没。『バビロンの大富豪』は現在でも蓄財哲学・自己啓発の名著として多くの人に支持され、職業・地位を問わず、あらゆる層の人たちに愛読され続けている。

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